bondavi 株式会社

寄付の可能性

世の中を流れるお金を、2種類に分けてみます。

  1. 何かの代価として払うお金(売買)
  2. 見返りを求めずに渡すお金(寄付)

「売買」 の経済の限界

「売買」 の経済は、日本国内を流れるお金の99%以上を占めます。

通常、私たちが思い浮かべる 「経済」 や 「お金」 のほぼ全てです。
パンを買うのも、電気代を払うのも、美容室の代金も、全て 「売買」 に含まれます。

しかし実は、この当たり前の経済の仕組みは、いくつもの問題を抱えています。

といったように。

まとめて、「人に心を失わせる」 性質があると言えるかもしれません。
(もちろん、心豊かな活動を 「売買」 の経済でおこなっている方々もいますが、経済の性質として)

「売買」 の経済の下、人の生活水準はずっと上がり続けてきました。
ですが、人が最終的に求めているもの(例えば 「人生の充実度」 など)に関しては、そうではありません。

日本人の使えるお金は増えているが、生活の満足度は減っている - 内閣府 国民生活白書(平成20年版)

「寄付」 の経済の可能性

一方、「寄付」 の経済には 「心を失わせる」 ような性質はありません。

むしろ、「この人たちを応援したい」 という純粋な支援は、人の心を豊かにする働きすらあります。
これは 「人生の充実度」 の類を、直接的に上げるはずです。

しかし、「寄付」 の経済もまた、大きな弱点を抱えています。

力が弱いのです。
「1000円の定食を食べる人」 はたくさんいますが、「1000円の寄付をする人」 は多くないので、あまりお金になりません。

そのため、「寄付で収益化する」 というのは多くの企業にとって非常に難しいことです。
「寄付という善意で回る社会」 は、理想的ではありますが、現実的とは言えません。

日本人は特に寄付が少ない - 日本ファンドレイジング協会「寄付白書2021」

では、どうなればいいか

「寄付」 の持つ可能性を理想論で終わらせず、現実に機能させるには、どうなればいいでしょうか。
答えは 「寄付する人が多くなる」 に尽きると思います。

それも、人々に 「寄付をしなさい」 と強制するような急改革でなく、 一人一人が 「この活動を応援したい」 と自発的に支援をするような、自然な形で。

そうなればきっと、少しずつ社会は冷たい機械性を減らし、温かい人間味を増します。
企業は単なるモノやサービスの提供業者から、「応援したい」 と素直に思える人の集まりに変わります。
「善意で回る社会」 は単なる理想論から、少しずつ現実のものとなっていきます。

もちろん、これらは一朝一夕で実現するものではありません。
それでも、一人一人の行動の影響は、少しずつでも確実に波及します。

価値ある事業を存続させる力を与え、企業に真摯さを呼び起こし、本当に誰かが必要としている、価値ある活動を展開させます。

そうして少しずつでも、事業や生活を成立させる現実的な力と、人が決して欠いてはならない豊かな心が共存できるようになったのなら、それはきっと社会の進歩と呼ぶに値するものだと思います。